2015年12月22日

2015年の終わりに

楽伝は、12月26日(土)より2016年1月3日(日)まで、
年末年始のお休みをいただきます。 

2015年、楽伝は2つの領域において
活動を重ねてまいりました。
 
つは、大学等教育機関におけるキャリア教育から、社会人の多様なキャリア開発の支援まで、変化の時代に自らの人生のオーナーとなりキャリアをひらく力を育む『社会教育』に関わる活動です。

いま1つは『地域貢献』に関わるものです。
1400年の歴史ある地域コミュニティのもつ資産を見つめなおし、世界に再発信する“地域の再生”や、1つの土地で300年培われた伝統工芸品のあり様を持続可能な発展に向け、若い力で捉えなおす“伝統の再生”の支援を進めてまいりました。

この一年もそれぞれの領域で、幅広い世代の多様な皆さまと出会い、ご一緒させていただきましたことに楽伝一同、心より感謝申し上げます。いただいた刺激を学びに、来る年も励んでまいります。

写真にある“左を向く馬(ひだりうま)”は「右に出るものがない」ことから縁起ものであるとか。皆さま、どうぞよい新年をお迎えください。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2015年12月11日

『伝版®ダイアリー』予約受付スタート!(完全受注生産)

2016年度版の予約〆切は1月29日(金)です。

『伝版®ダイアリー』写真は昨年度版
 お待たせしました!
“夢を叶えるダイアリー”とも呼ばれる楽伝の『伝版®ダイアリー』。

4月始まりの2016年度版は《完全受注生産》にて一つひとつ、心をこめてお作りします!
予約注文いただいた方だけが手にしていただける『伝版®ダイアリー』。ご注文〆切は2016年1月29日(金)です。

◆予定は、やるべきことから埋めるのでなく
「やりたいと願うことからくみたてる」もの
そう考える楽伝が開発した『伝版®ダイアリー』。誕生から6年目を迎え、長年のユーザーさんたちに加え、ますます広く楽しんでいただいています。

◆『伝版®』からなる『ダイアリー』
伝版®』は「伝えるための版」を表す造語です。楽(ラク)に楽しく、気落ちや考えをひきだし、ひもとき、くみたてることができる「コミュニケーションの型紙」です。自然をモチーフにした楽しくきれいなグラフィックが《思考・整理・伝達》を促進してくれます。
まずは紙を吟味して

そんな『伝版®』で構成されているのが『伝版®ダイアリー』。
やることたくさんの複雑な状況を整理したり、仕事のもろもろ&生活のあれこれをいっぺんに考えることも助けてくれます。
スケジュール管理ツールとノート・日記とで分断しがちな“予定や情報の管理”と“アイデアやきもちの整理”をひとところで進められるのもユーザーさんのお気に入りのひとつ。ありたい姿(ビジョン)に照らしたプランニングも、終えたできごとの内省をふまえた軌道修正も、自在です。使ううちに振り返りが習慣化した」というお声もいただいています。

ひとつひとつ
心を込めて作ります
巻頭には伝版®「木」、月毎のページには伝版®「花」。
他にどんなモチーフが登場するかは、開いてのお楽しみ!
ダイアリーのさいごには、特別なテーマについてアイデアを整理したり、次の一年に向けた振り返りに便利なモチーフたちも待っています。

ところでこの『伝版®ダイアリー』はご注文いただいた数だけ生産する《完全受注生産》です。ただいまご注文受付中!受付〆切は2016年1月29日(金)です。

◆2016年度『伝版®ダイアリー』仕様
 ・4月始まりの年度版ダイアリー
  (2016年4月~2017年4月)
 ・A4サイズ

いよいよ、裁断して完成!
 ・綴じ込み式の半透明カバー
 ・素材一部に和紙を使用
 ・予定価格:3,000円+消費税+送料(360円)
  *5冊まで1個口送料でお送りできます。

◆お申し込み方法
  ご入り用の方は下記までお知らせください。
   Mail:   info@rakuden.or.jp
   Facebook https://www.facebook.com/nporakuden


  お申込み〆切:2016年1月29日(金)
  お届け: 2016年2月末発送予定
  販売主体:特定非営利活動法人 楽しく伝える・キャリアをつくるネットワーク 
  お問い合わせ先: info@rakuden.or.jp


スケジュール帳兼日記帳として、あるいはカレンダーにも!お好きなように使っていただける『伝版®ダイアリー』。ご自身で使うだけでなく「ライフイベントをひかえる大切な人に贈りました」「パートナーと1冊ずつもって、コミュニケーションツールにしています」「社会人になったこどもに薦めて親子で使っています」というご報告もいただいています。

2016年度も『伝版®ダイアリー』がみなさまの1年のよきお伴になりますように。
あなたの『伝版®ダイアリー』とのエピソードもお待ちしています!


*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2015年11月26日

「ひとふでんず」ってなに?

“楽しく伝える”コミュニケーションツールです

「人生は短く、芸術は長し」とは古代の賢人ヒポクラテスのことば。
 芸術といって真っ先に思い浮かべるものの1つが「絵」ですが、私ときたら「ちょっとした絵」でいいから描いて、と言われるとドギマギ、絵は苦手だからと後ずさり。古代人よりも人生はずいぶん長くなりそうなのに、今後、絵がうまくなりそうな気配はありません。
でも、「漢字」ならば書けます。パソコンやケータイのない時代から書いていたのですから、機械に頼らずとも今の若い人たちよりは正確に書けるかしら。

そういえば漢字は象形文字。
季節のひとふでんず
「こたつ猫」
“身の回りにある情景を切り取った絵”が漢字の始まりです。それも「芸術的な絵」ではなく「ちょっとした絵」。「山」「川」などの単純な漢字は、どんな絵からできているかがすぐに想像できますね。

漢字を書くことはつまり「ちょっとした絵」を描くこと!そう思うと少しは元気が出てきます。でも所詮それは単なる個人の言い分。漢字を書いても、他人には絵だと思ってもらえず自慢できません。そこで、絵の苦手な私でも描け、かつ少しばかり自慢できるちょっとした絵を作ってみようと思い立ちました。

◆はじまりは「伝図(でんず)」
ところで「ちょっとした絵」のコツは、描いた絵を見た人が、それが何の絵であるかすぐにわかること。わからなければそれを表す漢字を書いていた方がマシです。わかる絵を描くには、誰もが知っているものを対象にして、誰が見ても「ああ、アレの絵ね」と、瞬時にわる簡単なにしなくてはなりません。
とりあえず、そういうものに「伝図(でんず)」という名前をつけ、作りはじめました。ところが、できた「伝図」をいざ描けるようになると、なにやら簡単すぎて自慢にもならず「つまらない!」となってくるのです。
 
「そもそも絵が苦手なのに、そんな贅沢なことを?」ですが、なにせ自分たち自身で「つまらない!」のですから、ここはそのままにせず“絵が苦手な人でも挑戦できて自慢できる絵ってどんなもの?”と考えをめぐらせてみました。

そういえば漢字だって、初めはたいそう複雑だったモチーフが、幾度も幾度も続けて描かれるうちに、だんだんと枝葉が簡略化され、シンプルなラインからなる「漢字」になってきたのでしょう。つ
まり“ひとふでがきのように”描いていたら「漢字」ができた、と。それならば私たちはひとふでがきの「伝図」を作ろう!と思いつきました。
 
◆「ひとふでんず」誕生
たとえシンプルな図柄でも、ひとふでがきにして描いてみると楽しいし、そして、実際に描いてみたものを見せると「えー、これ、ひとふでがきで描いたの?すごーい」と褒められます。
こうして、褒められた勢いにもまかせ、日常のモチーフをひとふでがきにしてくれるデザイナーに「ひとふでんず」の創作を依頼しました。ひとふでで、誰にでもわるちょっとした伝図

「ひとふで」+伝(でん)+図(ず)=「ひとふでんず」
 
を作るという使命を勝手に背負い「ひとふでんず」を創作し、少しずつ世に発表することにしました。

「ひとふでんず」は単純になぞってみるだけで、絵が描けた気分になりますし、単純なものであれば、練習すれば下絵なしで描けるようになります。
「ひとふでんず」をなぞるだけもよし、何回か描いて覚えるのもよし。さらにできた「ひとふでんず」に色を塗ったり、何か別の絵を書き加えたりして世界でたったひとつの作品にするのもよいでしょう。ひとりで描けるようになった「ひとふでんず」を人に見せると、判を押したように相手が驚いてくれて、ちょっと鼻高々な気分になります。
 
◆まだある「ひとふでんず」効果?
これもあれも「ひとふでんず」
ところで、あくまでも経験値としてですが、
「ひとふでんず」には不思議な力が秘められているようです。描いている時には集中力がアップ。簡単なようでいて実は、次にどちらへ進もうかと迷う分岐点では頭を使いますし、大きな「ひとふでんず」と小さな「ひとふでんず」を描くときでは身体の中で使う筋肉が違うようです。
冒頭(写真)でご紹介した「こたつ猫」はシンプルな図柄ですが、こたつの形をしっかりとりつつ、猫やこたつ布団、みかんの曲線にも気を配りたいところ。これが人物の肖像画や風景など、複雑な図柄となればむずかしさは天井知らず。こどももおとなも呼吸を忘れて静まり返る「ひとふでんず」タイムです。

「ひとふでんず」を楽しく描く生活を続けていると、だんだん「ひとふで脳」ができてきます。ふだんの生活で目に入る風景やモノをなんとかひとふでで描けないものかとついチャレンジしてしまう瞬間……。そんなときは「ひとふで脳」が働いているに違いありません(笑)

単純なようで実は奥深い、「ひとふでんず」の世界。ぜひいろいろな場面で楽しんでください。シンプルな造形ですが、意外とパワフルなコミュニケーションツールとなってくれることでしょう。

ちなみにこの「ひとふでんず」前号では「建設業」コミュニティの一端を伝えるモチーフとしての岩手県での仕事ぶりをご紹介しました。このほかにもいろいろなコミュニティ=地域の活性化モチーフとして働いています。

◆大阪・四天王寺で
スイーツにひとふでんず
「四天王寺の五重の塔と亀池」
1400年前の古代には日本で最も栄えた国際交流都市だった四天王寺は、今も地域(ローカル)とグローバルが入り混じった摩訶不思議なパワーにあふれたエリアです。そんなコミュニティらしさを「ひとふでんず」にして発信されています。
 
つい先日は、素敵なスイーツの上に、四天王寺バージョン「ひとふでんず」の1つ「四天王寺の五重の塔と亀池」のチョコレートプレートが(右写真)!
 
四天王寺にちなんだ女子会イベントでのご賞味と相成り、登場するなり「キャー」の歓声を浴びていました。
なんだかすごい、「ひとふでんず」パワーです!

理事長 西道広美 拝

*次号はお待ちかね、2016年度『伝版®ダイアリー』についてのご案内です。
  どうぞお楽しみに!

2015年11月12日

”ひとふでんず” 小学校へ行く!

小学生のための『建設業ふれあい事業』by 岩手県建設業協会千厩支部
 
10月20日(火)、岩手県一関市立川崎小学校でのひとこまです。右の写真、こどもたちは何をしているのでしょう。

ショベルカーの“ぬりえ”? 

実はこれ、ただの“ぬりえ”ではございません。

いろいろなモノを“ひとふでで描くこと(一筆書き)”ができるとくべつなグラフィック『ひとふんず』という、楽伝が提供するツールの1つです。

◆「重機」の『ひとふんず』
折々の季節のモチーフから、人物像、さらには地域ならではのご当地アイテムまで、なんでも一筆書きになるグラフィック『ひとふんず』ですが、今回は建設業で使うさまざまな「重機」が『ひとふでんず』になって小学校へ!

高所作業車、たか~い!
こどもたちはクレーン車やショベルカーなどの働くくるま・
重機の『ひとふんず』の上に紙を敷くと、くっと息をつめて
一筆書きでの写し絵に挑戦です。一筆書きの終点にたど
つくと、あの、大きくてふくざつなカタチのクレーン車や
ショベルカーが、自分の描いた絵としてココにあります。
しずかに息をゆるめる表情からは「できた―!」と心の声
がきこえてくるようです。
あとはおもいおもいの色を塗ると、どうでしょう。とても
カラフルで見ていて元気が出るような重機たちが出来上が
ました!

岩手県建設業協会では、県内各地の小中学校、工業高校
などを対象に、建設業に携わる皆さんが学校を訪問し、
児童・生徒たちにわかりやすく建設業について紹介する
「建設業ふれあい事業」を、協会の各支部の運営により
開催しています。
重機の試乗や測量機器の操作体験など、カラダで体感
してココロ揺り動くひとときは、こどもたちにとって
楽しく学べるキャリア教育のきっかけにもなっている
ようです。

◆一関市内の小学校での取り組み
こどもたちに伝わる体験を!と協会各支部ではプログラム工夫を凝らされています。その中で、岩手県南部に位置する千厩(せんまや)支部様では『ひとふんず』を2013年度2014年度に引き続き、今年も活用いただいています。


バックホウ、行きます!
今年度は、一関市立川崎小学校1、2年生、
44名の児童が参加されました。
校長先生のお話に始まり、協会側40名のプロ
の皆さんのサポートを受けながら、高所作業車
(写真)試乗や、バックホウ(油圧ショベルの
一種。右写真)の運転体験。さらに測量機器体
など、身体で建設業のおしごとを体感すると
ともに、重機の『ひとふでんず』の一筆書きに
挑戦しました。

『ひとふでんず“A4サイズの紙1枚に一筆
書き”のシンプルなグラフィック。それゆえに、
こどもたちにとっては「見上げるほど大きく、

ただいま『ひとふでんず』中!
ふくざつな造り」の重機も、「自分手元で、たった1本の線で特徴的なカタチをわかりやす
くとらえ、全体像をみる」ことができます。
「重機に乗る・運転するカラダ全体で感じる体験」と、「全体を俯瞰できる1枚のグラフィック
『ひとふでんずとして捉える体験」が、こど
もたちの中で合流していったその先がなん
だかとても楽しみになります。
 
>>当日の模様、くわしくはコチラ
 
その後、こどもたちが描いた『ひとふでんず』は「ひとふでんずイラスト展(写真)」にて一堂に会しました。

ひとふでんずイラスト展
>>「建設業ふれあい事業・ひとふでんずイラスト展(2015年度)」の模様はコチラ
 
さて、今回ちらりとご紹介させていただいた
『ひとふでんず』。次号では“楽しく伝える・
キャリアをつくるネットワークの楽伝がなぜ?”
を含め、「ひとふでんず」のあれこれをさらに
お伝えしていきます。





*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

2015年10月22日

「異物」に自らをさらす体験、そのあとに。

体験学習の在り様に想いをめぐらせながら

3か月ほど前、夏が始まる頃に楽伝の本拠地・黄色い家に参集した若者たち―関西と福島の学生を中心とする「ふくしま福光(ふっこう)プロジェクト」による「SOMATOワークショップ Powered by Rakuden」参加メンバーが、秋の気配が色濃くなってきた黄色い家に再び集まってくださいました。楽伝・吉田がご一緒して、この3ヶ月の活動を振り返り、「伝統工芸」と「自分自身」という2つの「これまでと今後」について考えるSOMATOワークショップ総括編の開催です。


伝版®にもすっかりなじんだみなさん。
「川」で内省する《コレマデ》
せっかく楽伝の黄色い家で《コレマデ=来し方》と《アシタ=未来》を考えるのならば、SOMATOワークショップ1回目2回目に続き、今回も伝版®でまいりましょう!
今回はこの3ヶ月を内省した《コレマデ》を伝版®「川」にてかみしめていただき、「伝統工芸」と「自分自身」の《アシタ》を伝版®「種」に広げて考えていただくことにしました。

◆「川」で内省する《コレマデ》
「川」の伝版®では、この間に福島で伝統工芸・伝統文化にふれた体験やそこで出会って向き合った人々とのことのみならず、ご自身の日常生活での できごとも内省していただき、3ヶ月の間に新たに生まれた自分の気持ち、一方で以前から変わらず持ち続けている気持ちなどを言葉にしていただきました。
皆さんの発表をうかがうと、福島の企業のインターンシップに参加したこと、バイトやサークル活動にまるで川の流れに乗るように携わったこと、新しく始めた仕事に忙殺されたこと、力の限界を見極めていったん関西で就職することに決めたこと、研修旅行でフランスに行ってひたすらワインを飲んだこと、改めてCivic Pride(地域に抱く誇りや愛着)について考えるようになったこと、別れがあり出会いもあったこと等々。この3ヶ月間のお一人おひとりの体験、そしてそこに生じた気づきや想いが、誠にバラエティに富んでいることに驚かされました。
 
◆「種」で見通す《アシタ》
「種」で見通しかけている《アシタ》を語る
来し方を振り返ったあとはいよいよ未来へ。
この3ヶ月間の経験を経て、明確に《アシタ》につなげたいと思うこと、何か自分のなかで心にざわつきを感じたものの、そのざわつきの輪郭がはっきりしないまま《アシタ》に持ち越したいものなどを、「種」の伝版®に書いていただきました。

◆「異物」に自らをさらす“体験”こそ
ところで、思えば我々が生まれてこのかた身につけてきた、所属グループ・地域・社会・文化といったものに由来する「型(固定観念に基づく態度)」と、その「型」から生まれる「癖(固定観念に紐づく行動習慣)」は意識できないレベルで内在化されています。ゆえに我々が「自分」について考える際は、ひたすら自分だけに向かい、自身の頭や心や身体をのぞき込む時間も大切である一方で、自分と異なるグループ・地域・社会・文化の刺激(あえて「異物」と呼ぶことにします)に自身をさらす新たな“体験”をすることにより初めて、自らの行動や想いを相対化して位置づけ、俯瞰することが可能になります。ある種の「異物」に触れることで可能になるこの俯瞰作業によって、自身の来し方を礎に、《アシタ》をデザイン、あるいはRe-デザインし、少しずつ新しいページをめくることができるようになります。

ちなみに「異物」を内在化までする“正しい体験学習を自ら実践できること”は1つのスキルであり、磨きうるものです。SOMATOワークショップ参加メンバーは、伝統工芸という、自分の日常からすれば決定的に新たな“体験”を重ねて触れた「異物」たちを「川」の伝版®を通じて内在化する工程を経験したことで、この3か月間に並行してSOMATO以外で“体験”したできごとについても「異物」を積極的に見出し、俯瞰することがしやすくなられたかもしれません。

◆焦らずに吟味する
さて、新たな“体験”で得た「異物」は、なんといっても『異物』ですから、たとえ良い刺激であったとしても、それらを活用するにはちょっとしたコツが必要だと、楽伝は考えています。
たとえば、この3か月間のたくさんの新しい“体験”で得た「異物」が、《アシタ》の自分にとってどのような意味を持つのか、その「異物」をどのように内在化することで自分の《アシタ》をデザインあるいはRe-デザインするかは、すぐに答えの出るものではないでしょう。もしかすると「異物」のまま飲み込んで、そしてしばらく経ってから吐き出すしかない、結果として役に立たないとの結論になるかもしれません。ただ、慣れ親しんだ世界では触れることのできない、せっかく触れた「異物」ですから、どのように自分の役に立つのか、新しいページをめくるのに必要なものかどうか、あえて焦らずに一つひとつ吟味することが大切でしょう。皆さんが折に触れ、この日の「川」「種」を見返し、書き足し、《アシタ》探索に活かされることをオススメする楽伝でした。

《アシタ》に向かって!
3ヶ月にわたった2015年夏のSOMATOワークショップはこれで本当におしまい!「種」の伝版®に書かれた“輪郭のはっきりしているもの/していないもの”、そのどちらとも、自らの新しいページにつながる可能性のあるもの(種)として、大切にお持ち帰りいただきました。
さてさて、お一人おひとりが飲み込んだ異物の種が、これからどのように変化していくのか?
それは楽伝の密かな楽しみとして。
 
 

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。
 
 

2015年10月8日

キャリア教育、求められるは“学びほぐし”

日本心理学会第79回大会、発表を終えて

シルバーウィークの後半9月22日(火)から3日間にわたり、日本心理学会第79回大会が愛知県名古屋市(名古屋国際会議場)にて開催されました。楽伝は、最終日9月24日(木)に《一般研究発表:ポスター発表》と《チュートリアルワークショップ》を実施致しました。

チュートリアルワークショップで
“転換ワーク”を体感いただく
今年の楽伝発表テーマは「大学生のキャリア開発における自己能力発見過程」。
ファシリテーションにおけるグラフィックツールの使用効果について「伝版Ⓡ」を体験いただきながらご紹介した昨年第78回大会での発表からさらに進め、4年制大学のキャリア教育講義で行われた“転換”ワークショップの模様を分析し、発表致しました。
 
《一般研究発表》に続き、11時40分より《チュートリアルワークショップ(2部構成、合計80分間)》を開催し、楽伝理事長の西道広美、理事の山本由紀子がご一緒させていただきました。教育機関でキャリア教育に携わる先生方を中心に、さまざまな立場からキャリア教育に関わる専門家の皆さまに出会い、ご関心を頂きました。多様なキャリア教育の現場にあって、学生・生徒さん、保護者の方々、教職員の方々を巻き込み、キャリア開発に資する学外の専門家や専門組織との連携を模索し、学生・生徒さんがキャリア開発力を養う環境づくりをされている先生方のご意見を伺い、大いに刺激をいただきました。    

◆第1部:若い世代のキャリアをどう考えるか?
理事長・西道より、楽伝が提供するプログラムが前提としている「これから社会に出る若者が直面する激変した社会でのキャリアの在り様」、すなわち、あと30年ほどで実現するといわれる「シンギュラリティ(技術的特異点)」到来の影響も視野に入れ、従来とは異なる視点を要する『キャリアの“アシタ”』について、楽伝の考えを共有致しました。

続いて、キャリア教育現場における学生側の課題として「自尊自立・自己駆動力が弱い」「論理的思考やコミュニケーション能力が弱い」といった声があり、一方、運営上の問題として「『気づき』を促進するための教育内容や場面づくりの工夫が不十分」という声がある現状(「大学におけるキャリア教育のあり方(平成17年社団法人国立大学協会)」より)をふまえ、これまでの教育に“加えて”求められる、変化の激しい社会を見据えた教育プログラムを支える要素(=必要なモノ・コト)について、これからのキャリア形成に欠かせない4つの態度と2つのスキル『6Cpowered by Rakuden』等をご説明致しました。

◆第2部:自己能力発見過程“転換ワーク”
転換の促進をサポートする
“ネイル”などの《転換例》
楽伝理事・山本由紀子がファシリテータとなり、『6C(powered by Rakuden』の中でもキャリア教育でのワークショップ的体験(行動)を通じて力をつけていくことが重要かつ可能となる「行動に関わる2つのスキル:《他者との協働》と《転換》」に焦点をあて、実際に大学等教育機関で実践している“転換ワーク”の一部を皆さまに体験いただきました。
この“転換ワーク”の実際にご関心があってのご参加が多かったようで、面識のない2人組になっていただいてのひとときながら、
皆さま熱心に没頭いただいておりました。

求められるは“学びほぐし
今大会中に出会った方々から幾度か伺い、印象深かったお声の1つに「(現場を)振り返ってみると、私たちは“もうある/もう持っている”ことを前提にしすぎているなぁ、と感じました。」というものがありました。たとえば「自分が好きなこと」「自分がわくわくすること」といった《好奇心の対象》から、「夢」「なりたい姿」「ありたい姿」といった《ビジョン》まで、そうしたものは学生・生徒さんそれぞれがすでに自身の中に“持っている”はずで“顕在化しうる”という前提に立ってしまっている、ということでした。その背景には、《好奇心の対象》から《ビジョン》まで、それらを耕す方法=自ら意識化・顕在化させることが難しかったり辛さを伴う作業であるような、個人の奥深くにあるものを“学びほぐす”手法を提供することが容易でないという現実もあるようです。

《一般研究発表ポスター》
“転換ワーク”を含め、伝版®を活用した、楽伝の一連のキャリア開発プログラムで重視しているのは、まさしく、そうした自分の内面を《他者との協働》も通じ、“楽しく楽(ラク)に”発見し、表現していくことの応援ですが、この日は、“学びほぐす”を応援していくことの重要性と必要性を改めて実感させていただきました。
【ご参考】
「楽しく楽(ラク)に!伝版®開発の背景」コチラ

さて、こうした場を通じて多様な専門家の皆さまからご意見をいただき、交流させていただくことで、楽伝は、現在の取り組みの質を俯瞰するとともに、将来のキャリア教育の現場でお役に立つ視点・情報・プログラムの在り様について、仮説検証したり、発見させていただいています。おかげさまで昨年同様に、大会を終えたこれからの時期にますます元気になりそうな楽伝です。
 
楽伝は、激変するであろうキャリアを取り巻く環境から目をそむけず、伝えあう力を信じ、人生をひらく「個」を応援するという視点で社会に貢献するNPOとして、今後ともキャリア教育・キャリア開発等の在り様を問う場における発表活動を含め“発信”を行ってまいります。
 
*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性と変化あふれる社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。

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