2017年5月13日

英語インプロ開催レポ「えいご、たのしかった!」《前編》 in ふくしま白河

ふくしま白河で『らくでん式・英語インプロ』

‟お題思いついたから、もう1回やりたいっ!”
2時間ワークショップの半分を過ぎたころです。ファシリテータにねばっているのは、小学6年生のなっちゃん。

ここはふくしまの県南エリアにある白河市。
東北初開催の『らくでん式・英語インプロ』ワークショップの会場ーJR東北本線白河駅のすぐ脇にある白河市立図書館「りぶらん」の中。
線路向うのすぐ近くには、日本の100名城にも選ばれた「白河小峰城(国指定史跡)」が見えています。

東日本大震災の年の夏に、大勢のご尽力あって開館したという「りぶらん」は、小峰城の城郭エリアの端に位置します。広くうつくしい勾配屋根が、お城のある風景によくなじんでいます(右下写真)。会場は、1つの面が天井までの全面窓で開放感たっぷり!のびのびとコミュニケーションしあう時間にぴったりの環境です

集まってくれたのは、小学生36年生と中学1年生の子供たち、そして保護者や小学校での英語教育に関わるおとなのみなさん。子供たちは、まだ学校で英語にあまり触れていない子もいれば、塾で英会話を学んでいる子も。ちらしをみて興味をもった子、お母さんが参加を決めて「今日はココへ行ってらっしゃい!」と送り出されてきた子、仲良しのお友だちに誘われて来た子など。

年齢や学年をはじめ、英語経験やモチベーションもいろいろなメンバーを大歓迎するのも『らくでん式・英語インプロ』ならでは!今回はそんな“ならでは”を中心に当日の様子をご紹介しましょう。

◆「つたえあえば、人生がひらく」がモットーの楽伝だから
今の小中学生たちは、2020オリンピックが終わったのち2030年代にかけて社会に出る、まさに多文化共生社会の住人です!
多様な価値観をもつ相手にふれ、互いの強みをあわせることのできる《伝え合い力》は、彼ら・彼女らが人生を生き抜くためにかかせない力となるでしょう。

【らくでん式】とは、その《伝え合い力》の基礎となる“だれかになにかを伝えたい!”という気持ちを引き出し、「自ら学び続けたくなる気持ち」を養う独自の手法です。
言語の種類は問わず、コミュニケーションそれ自体が楽しくなり、《伝え合い力》がのびることをめざしています。その【らくでん式】が、《英語》に着目したプログラムが『らくでん式・英語インプロ』です。

◆日本語でもOK
そんなプログラムですから、まず大切にするのは‟相手のことを知りたい”‟相手に伝えたい”という気持ちの芽を育むこと。たとえば、もし英語での言い方がわからなかったら、日本語でOKファシリテータやほかのおともだちと助け合って英語表現にしていくから大丈夫。English only!”とはいいません。

お時間になり、ワークショップがスタートしました。
「大丈夫かなぁ。」とでもいうように、みんな緊張の表情!おとなのみなさんだって緊張しますよね。そこで、まずはココにいる人たちを「お互いになんとなく感じる」ひとときといたしましょう。

さきほど自分でつくった名札の出番です。ファシリテータの案内で、子供とおとな、みんなでひとつの輪に。“今日ココで、自分が呼ばれたい名前”を紹介する《ネームコール》が始まりました。一巡する間、みんなのもやもやした“心の声”がきこえてくるようです。

「なにするんだろう、これから」「お昼までかぁ、長いかも」
「あのおにいさんたち大きいなぁ」「あの子たちは兄弟なんだ」
「あの女子たちはともだち同士か」・・・

それならその“心の声”、「カラダを動かして表現(発話)」してみましょう!
「この線が、0~100のものさしだとして、いまの気分どう?どこでもええよ。」

床にはられたマステの線(スケールライン)の上、おもいおもいの位置に、それぞれ移動します。ずらり並んだ線の上、30台~90台まで!ファシリテータは、「数字が高いから/低いから いい/悪い」でなく、ひとりひとりの数字とそのワケに、他のみんなもまきこみながらからんでいきます。

「ふ~ん。数字、低くてもOKなんだ」「あの子、ちょっとおもしろい!」「まぁ、いいか」

そんな“心の声”がきこえるよう。すこ~し空気がいきいきしてきましたよ。

◆ふだんのことばから始めよう!
さて、輪に戻ったみんなに渡されたのは1枚のプリント。
学校で毎日つかう「鉛筆」・ちょうど小峰城でお花見の祭りが開催される「桜」・ふくしまの名産「桃」や「ぶどう」・白河市の花「梅」・市の鳥「うぐいす」など、イラストがいくつも!

ちょっとだけ身近なアイテムが、一筆書き(ひとふでがき)できるカラフルなグラフィック「ひとふでんず」になって集合しています。
*『ひとふでんず』はらくでん式のコミュニケーションを促進するツールの1つです。

シートを片手に、身近なモノの名前(名詞)や色の名前(形容詞)、いくつかの基本構文(動詞を含む)の英語表現を確認していきます。

基本構文では、たとえば「あなたは桃が好きですか?」といった日本語言語としての正しさよりも、「桃、好き?」といった子どもたちの表現に寄り添うのがらくでん式です。

先にほぐれてきたおともだちは、おともだち同士でも単語を確認してみたり、ファシリテータに「先生の日本語ってなまってる!」とつっこんだり(「私、なまってるんか?」・・・生粋の大阪人であるこの日のファシリテータ・えみちゃんが衝撃を受けた瞬間でした)。学年の低いおともだちたちもおかあさんやファシと顔をみあわせて笑顔に。

「なんか今日、まぁまぁいいかも!」な温度を感じたころ、ファシリテータはみんなを次のワークへ誘います。確認した英語表現をつかって「好きなモノ探し」のペアインタビューに取り組みました。

◆「1つの正解」のない“インプロ”ゲーム
さて、ペアインタビューで1対1のコミュニケーションに少しなれてきたら、今度は《らくでん式恒例》チーム対抗インプロゲーム=Im a tree!”にチャレンジです。

この日の最初のお題は「お花見」。
ひとりひとりが即興で想いつく「お花見」を、舞台と決めたスペースで表現し、チームでお題の光景をつくります。舞台に出ていくタイミングは自分しだい。思いついた人、やる気になった人から出てきます。知っている単語を駆使する子もいれば、ファシリテータに相談して英語を探索する子も。

ところで、参画型ワークショップでは、ほかのメンバーより口数が少ない子や、笑顔が少なめな子、こんなワークでなかなか一歩が出ない子が、ときに、興味やモチベーションが低いように誤解されることも。でも、大切なサインは“わかりやすく見えるものばかりではない”ですよね。

この日もファシリテータは、なかなか舞台に出てこない男子ふたりの「足」に気づき、温かく見守っていました。

「今行こう・・・か。」「いや、つぎ?」
「今度こそ・・・」「やっぱりあの子が先かなぁ。」

とでもいうよう。一見、表情の動かない彼らですが、その足先は何度も小さく前に動いては引っ込み・・・を繰り返していました。そうしていよいよ、最後に舞台に出ると、みんながびっくりするほど独創的なアイテムに変身し、ふたりそれぞれに大拍手をあびました。
*『Im a tree』については2回《らくでん式・英語インプロ》でもくわしくご紹介しています。

プログラムの開発者のひとり。22年にわたり児童英語教育に携わる辻野はいいます。
「らくでん式は、“1つの正解”を求めず、自分で考えたことを発信できるワークが中心です。ですから、仮に年齢・学年・英語の習熟度・コミュニケーションの得手不得手などの違いがあっても、さまざまな個性からなる集団のだれもが対等に参加し、楽しみやすいのです。子供たちが楽しんで“自分を発信”してくれるおかげとして、参加メンバー同士ではもちろんのこと、ファシリテータや指導側も、‟よく知っていたはずの相手(ともだち・生徒)の知らなかった魅力に驚く”ことがよくあります。」

◆ちがうっておもしろい!
らくでん式のファシリテータは‟伝えたいことが生まれやすい場面設定”や‟こんな表現をしても受容される(大丈夫と感じられる)場”を整えます。すると子供たちは、「正解を探さなくっちゃ・・・」と急ぐことをだんだんとやめ、「自分で考えたことを表現してみる」ことに踏み出します。

その結果として、「1つのお題」を共有して取り組んだにもかかわらず、自分では思いつかなかったような表現がチームメンバーから出てきたり、果てには、その場の全員がびっくりするようなアイディアまで出てきたり・・・“おもしろ~い!”

‟みんなちがっていておもしろい!”は “ダイバーシティ(多様性)の魅力を認識することにつながる体験。そのは、これからの多様性(ダイバーシティ)きわまる国内外の環境(=多文化共生社会)で生き抜く上で必須の基礎力です。
 
さて、この日最後のワークは、全員参加の『なりきりインタビュー』ワーク=Who am I?”
その模様は、近日次号にてお届けします。どうぞお楽しみに♪

◆決定◆
この夏8月26日(土)~27日(日)、『らくでん式・英語インプロ』が再び白河にまいります!
くわしくは後日、ご案内させていただきます。

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。


Copyright © 2013 Rakuden. All rights reserved