2018年5月18日

インプロワークで耕す、チームコミュニケーションワークショップ【前編】

有機的連携をめざして~市村自然塾関東スタッフチームのみなさまと

即興ゲームの1シーン、全員で「市村自然塾♪」
ここは神奈川県足柄上郡松田町の寄(やどりき)。西丹沢の山あいの高台に、いくつもの畑に囲まれるようにしてある市村自然塾関東です。

山も畑も春の顔になりはじめたころ、市村自然塾関東の活動を支えるスタッフチームのみなさんと1Dayワークショップをご一緒するため、らくでん理事/ファシリテータの山本由紀子柴山純が訪問しました。

門をくぐると、農作業には不可欠のスペースだという、とても広い土間にまず驚かされます。
靴を脱いで板間にあがるとなんだか懐かしいきもちに。

こどもたちとスタッフのみなさんが食事や話し合いの活動のときにいつも集まるという1階のお部屋は、陽あたりがよく明るく広々!

◆生きる力を大地から学ぶ
市村自然塾は、株式会社リコー及びリコー三愛グループの創業者・市村清氏の生誕100周年を記念し、2001年に設立された特定非営利活動法人です。生きる力を大地から学ぶ機会を創り、こどもたちに提供しつづけています。

毎年3月上旬から、こどもたちは9カ月の間に、18回にわたって23日(金曜夜~日曜午後)の共同生活を!農作業を中心に、食生活・自然科学体験などさまざまなことに取り組みます。

小学4年生~中学2年生までの男女56が関東一帯から参加し、今年は3月4日の入塾式をスタートに活動中です。

設立以来すでに17期を迎え、入塾式の運営ほか折々の活動には、卒塾生のこどもたちも参加してくれるそうです。

足柄茶のお茶摘み 夏も近づく八十八夜♪
3月 ゴボウを育てる穴掘りに、種まき。

4月 ジャガイモ・ダイコンの観察、キャベツ・レタスの植え付けに、味噌づくりも。

5月 ちょうどいまご当地のお茶「足柄茶」の茶摘みをしての茶づくりも(右写真)サツマイモの植え付けやラッカセイの種まきも始まります。

このあとも季節ごとのお世話・収穫・植え付け・種まきが11月の卒塾式まで続きます。

土間のかべには、1年を通じた農作業スケジュールが張られており、その作物数の多さと、育てるだけでない作物を通じた体験の豊かさにらくでんスタッフはびっくりしました。 


◆「4無」を大切にした成長支援
そんなこどもたちを滞在中サポートし、また、こどもたちの留守にも畑を見守り、運営を可能にするのがスタッフのみなさんです。

滞在中の親代わりとなる塾頭、塾生たちをそばでみまもる世話人のみなさん、農業指導や看護などの専門スタッフ、運営を支える事務長をはじめ事務職員の方々がよりそいます。
 
活動内容によっては、株式会社リコーやグループ企業から有志の社員のみなさんがボランティア参加することもあるそうです。

スタッフにヒントをもらいながら、畑で考える
市村自然塾では、スタッフがこどもたちへ関わるときに大切にしている、自然の摂理に学んだ「4無(4つの「●●ない」)」という考えがあるとのこと。

4無=「指示しすぎない」
   「命令しすぎない」
   「教えすぎない」
   「世話をやきすぎない」

それぞれの環境で、自ら力を発揮して根を張り、芽を伸ばし、変化を受けとめて成長していく農作物を思わされます。

◆多世代・多様な専門性もつスタッフチーム 
現在のスタッフは実に多様な顔ぶれです。とくに、こどもたちと日常的に関わる男性3名、女性3名の世話人のみなさんは、多様なキャリアを歩み、異なる専門性を磨き、その方ならではの志をもってここに参画されたメンバー!20代から50代と、キャリアのステージも、市村自然塾関東とのおつきあいの長さもそれぞれです。

そんな多様性に富むからこその心強いチームですが、4グループに分かれたこどもたちが毎週末交替で滞在する9カ月の間は本当に大忙し!
それぞれの専門領域が際立っていることもあり、メンバーが“有機的に連携する”よりは、自分の“持ち分に各自専念”して役割を果たす状態だったといいます。

そこで新しい期のスタートを前に、互いの強みをさらに活かして「有機的に協働するチームコミュニケーションの勘所」を模索する機会として、今回の研修実施を決められました。 

農作業をし、こどもたちと直接関わり、からだもこころもやわらかいご参加者と心得て、らくでん身体性・即興性の高いワークを取り入れ、チームコミュニケーションのありようを体得』する1Dayワークショップをご用意しました。プログラムは3部制。
それでは第1部を覗いてみましょう!
 
◆第1部:コミュニケーションゲームでひらく
クワをつかうのにも すこしずつなれて
まずはカンタンな即興ゲームや、らくでん式英語インプロワークショップでも多く取り入れる英語をつかったインプロゲームでのアイスブレーキング。

あいさつゲームや、指1本で相手に働きかけるパペットゲーム。ノンバ―バールなコミュニケーションだけでタイミングをあわせるゲームなど。 

軽く動いたところで「なりきり写真ゲーム」へ。
2チームに分かれ、各チーム2つのお題に取り組みました。

最後は「市村自然塾の春夏秋冬」をお題に“全員で”チャレンジ♪ - 春の芽吹きに始まり、外遊びにはしゃぐこどもたち、名物・ゴボウや、苦労して収穫した達成感あふれるこどもの笑顔、はしゃぎすぎを注意するスタッフ&我に返ってシュンとするこどもなど ー 市村自然塾のあるある場面が1枚の写真におさまりました(冒頭のお写真)。 

新年度が始まる前でホンモノのこどもたちはいないのですが、演技力あるみなさんのおかげで、らくでんのファシリテータたちも、市村自然塾の “活気あり!笑いあり!” の日常を一瞬にしてとても身近に感じることができました。
 
それにしてもさすが日ごろから、いろいろな学齢の、個性も多様なお子さんたちとやりとりされているみなさんです。ノンバーバルのコミュニケーションもたいへん豊か!

1部のしめくくりは、ノンバーバルコミュニケーションに意識を払い、間合いをはかるBAMB SHOOT(たけのこ)ゲームです。


ほかのメンバーと数字が重ならないよう、互いに間合いをはかりカウントします。45人のグループでも最初はむずかしいですが、感度の高いこの日のメンバー!さいごはらくでんスタッフも加わり10人で挑戦です。

何度も失敗を重ねるうちに、各メンバーが反応するタイミングや事前兆候がだんだんとわかってきて ー 自分の特徴をふまえて失敗の少ないタイミングをみはからって飛び出すひと、相手に意識を集中してタイミングをねらうひと、グループ全体をみて一番むずかしいタイミングを引き受けるひと ー チームの中でそれぞれの役割を見出しながら挑戦が続き、ついに、ランチタイムを前にみごとにやりとげたみなさんでした。

さて、つづく午後の模様は次号でご披露しましょう。どうぞお楽しみに!

◆ご参考
>>株式会社リコーの社会貢献
リコーグループはサステナビリティへの社会的取り組みとして、事業を通した社会課題解決と並行して、事業領域内外に関わらず重点を決め、社会貢献活動を継続的に実施している。会社や社員が直接実施する活動のほか、社会課題の解決へと活動するNPONGO等の支援も含む。
 
市村自然塾は、リコーグループの社会貢献活動の中で「次世代育成」を促進する活動に位置づけられ、株式会社のマネジメント層が役員をつとめ、社員・元社員のみなさんがボランティアとしても参加する。

>>チームビルディング研修のその他事例
ダイバーシティを活かす、チームビルディング・ワークショップ
 

*楽伝はコミュニケーション力とキャリアの開発を両輪ととらえ、多様性に満ち、変化の激しい現代社会において力を発揮する人材を育てることを通じて社会に貢献します。



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